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痛みを継続・発症させる負のトライアングルを断ち切れ!

 私はよく膝や腰など体に痛みを抱えた方から相談を受けるのですが、そうした皆様の話をお伺いしていますと、そこに一つの共通点があることに気がつきます。それが何かと言えば、多くの方に負の連鎖が起きているということです。
 では下の図を見て下さい。ここではそれを『負のトライアングル』としてまとめてあるのですが、特に慢性的な痛みで悩んでみえる方には、こうした悪循環が起きていることが非常に多いのです。

痛みを継続・発症させる負のトライアングルを断ち切れ! 例えばケガをしたとして考えてみましょう。
 ケガをして痛みが起きたのであれば、普通は休む(安静にする)ことを考えますよね。この痛みがすぐに治まれば問題はないですが、これが続くと負のトライアングルに突入です。

 安静期間が長くなれば、それに伴って筋機能が低下します。筋肉はその収縮により血流を促進し、各部に栄養を送るとともに老廃物の回収を行うのですが、そうした機能の低下により痛み(特に鈍い痛み)が起きる恐れがあります。
 また筋肉には関節を安定させる働きがあるのですが、この機能が低下すれば、体を動かす際に関節に掛かる負担を増やしてしまい、これが痛みの増幅や新たな痛みの原因となります。
 そうした痛みが起きると、これがまた活動を制限する(安静を促す)要因になって…。

 さて、ここまではケガを切り口に負のトライアングルを説明したのですが、運動不足からこのサイクルに入ってしまうこともあります。運動不足を上の図に当てはめるなら、それは安静でしょう。体を十分に動かさない状態が続き、そこから筋機能が低下して…。

 また加齢によりこのサイクルに入ってしまうこともあります。歳を重ねるごとに誠に残念ではありますが筋機能が低下してしまい…。

 なんであれ、どんなところからでもそうした悪循環に入ることは可能だといいますか、多くの方が簡単に入ってしまう恐れがあるのが負のトライアングルなのです。
 またこうした状態の継続は体重増加の原因にもなるのですが、こうなるとまた厄介です。体重の増加は特に腰から下、ですから腰痛、股関節痛、膝痛などを増幅させる、または発生させる恐れがあるからです。

 では負のトライアングルをどのようにして断ち切るか?という話なのですが、これには「適切な施術などを受けて痛みを改善させる」というのが有効です。しかし最も良い方法は「患者様自身がどうするべきかを理解し、それに取り組むこと」だと思います。

痛みを継続・発症させる負のトライアングルを断ち切れ!  まあ施術に関しては施術家次第といったところでしょうが、患者様自身が取り組むことに関しては問題があります。
 それは私が相談を受けた際にも確認できることなのですが、私が症状の改善や負のトライアングルへの突入を防ぐ目的でエクササイズなどを提案しますと、そうした方から「痛いから動けない」という言葉が帰ってくるんですね。また「動いたほうが良いと言われるけれど本当に動いて悪化はしないのか?」なんてね。

 まあ確かに動きに伴う痛みがあったり、「動いたことでかえって悪くなったりしたら…」なんて考えましたら、動けなくなってしまう気持ちは分からなくもないですから困ったものです。

 私は施術の中で症状に合わせた運動を患者様にしていただくことがあるのですが、そうして動いていただきますと割と痛みなく動ける方って多いんですよね。
 また仮に痛みがあったとしても、もちろん私の判断の上ではありますが、その痛みをおして動いていただくことで、痛みなく動けるようになることもよくあることです。

 そうして考えてみますと、痛みを継続させている因子として不安の占める割合は大きいように思います。まあ実際に不安が不調をつくるということは今や周知の事実ですけどね。

 とにかくはっきり言えるのは「動かなければ動けなくなる!」ということです。
 考えてみて下さい。痛いから動けないとした結果、その痛みは改善しましたか?場合によっては痛みという壁をぶち破らないとその先の世界が見えないこともあるのです。
 しかし、だからといって痛みをおして動いても、それが間違った方法であるなら症状を悪化させる恐れもあります。

 結論です。慢性的な痛みがあるなら、やはり運動などで体を動かすべきです。またそうした場合に何をどのくらいするべきかということについては専門的な知識が要りますので、適当なことをやれとは言いません。それこそ専門家の指導を受けることお勧めします。またそうした中で皆様の抱える不安が少しでも減らすことができるなら、きっと症状は改善することでしょう。

 勇気をもって、そしてその痛みを抱えて、まず改善への一歩を踏み出してほしいと思います。

追伸
 私は患者様に、自宅で行うエクササイズを提案することがありますが、そうしたことを一切されない方もおみえになります。
 それこそ私は自称「治療家」ですから、まず施術のみでなんとかしようと考えますし、それで完治できたなら、それは私の誉れとなるのですが、その問題をなんとかしようと思うのであれば、やはり患者様自身が「自分の体は自分で治すんだ」という強い意志をもち、その症状に対して、ちゃんと取り組む必要もあると思います。

※今回の記事では『負のトライアングル』という言葉を使っていますが、これは私が勝手に言っていることで一般的な用語ではありません。ご了承下さい。

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