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体型の形成について考える

 下の図にもありますが、体型は基本的に「食べた量-使った量」によって形成されます。

体型は基本的に「食べた量−使った量」によって形成される

 簡単にするために「食べた量」と書いてありますが、正確には一日に摂取した飲食物によって体内に取り込まれる栄養素、つまり総摂取カロリーを言います。対して「使った量」というのは、それを消費した量、つまり総消費カロリーを言います。
 ですから総摂取カロリーが総消費カロリーを上回れば太りますし下回れば痩せるというわけです。

 さて、ここまでの内容でこの記事は完結できるのですが、もう少し理解を深めるために説明を続けます。特に総消費カロリー。総摂取カロリーは分かりやすいのですが総消費カロリーは、ちょっと複雑です

体型は基本的に「食べた量−使った量」によって形成される 左の図には一日における総消費カロリーの内訳が示してありますので、そちらを見ながらまいりましょう。

 では最初に基礎代謝
 人が機械などに頼らず生命を維持するためには脳や心臓などを動かし続ける必要があり、そうするためのエネルギーが必要となります。これが基礎代謝Basal Metabolism(BM)と言われるもので、年齢や体格によって多少異なるのですが成人男性では日に1300~1600キロカロリーが、女性では1100~1200キロカロリーが必要であると言われています。そしてこれが一日における総消費カロリーの60~70%を占めます。
 60~70%って、あんがい生きてるだけでもカロリーは消費されるんだ!なんて思うのは私だけでしょうか?

 では次に生活活動代謝にまいりましょう。
 生活活動代謝とは、食事をしたりトイレに行ったり、会話をしたり運動をしたりなど、一般的に言う体を動かすために必要なエネルギーのことを言います。これが一日における総消費カロリーの20~30%を占めます。

 最後に食事誘発性熱産生Dlet Induced Thermogenesis(DIT)ですが、これは読んで字の如く、食事をしたことにより熱の産生が誘発されることを言います。もちろん温かいものを食べれば、その暖かさにより体温は上がるのですが、それではなく食事をしたことにより代謝が増加し(カロリーが消費されて)、熱が産生され体温が上がる。そんな感じです。

 細かく言えば糖質、脂質、タンパク質など、何を食べたかによって熱の産生率(カロリーの消費量)は異なるのですが、一般的な食事にはそれらの栄養素が混じっていると考えるため、総消費カロリーの内訳として示すときには、その10%程度がこれにあたることになっています。簡単に言えば総摂取カロリーの約10%が食事によって消費されるということです。

 体型というよりは、ほぼ総消費カロリーの説明になっているのですが、ご理解いただけましたでしょうか?

   

肥満体型を改善するためにはどうするべきか?

体型は基本的に「食べた量−使った量」によって形成される ではここからは肥満体型を改善し一般的に理想とされる体型を形成するにはどうしたら良いのか?ということについて話をさせていただきます。

 左には44歳の私を載せてみました。これが理想とされる体型かと言えばなんとも分かりませんが、とにかく、肥満体型を改善するためには「総摂取カロリーを減らす」もしくは「総消費カロリーを増やす」という方法が考えられます。

 総摂取カロリーを減らすに関しては、もちろん食べたり飲んだりする量を制限することになります。

 私達の体は成長期と言われる時期を過ぎるとおおかた成長が止まります。そこまでは多少摂取カロリーが多かったとしても、それら栄養素は体を大きく成長させるために使われるので、肥満という形になることは割に少ないと考えられます。しかし成長期が終わってしまえば過剰な栄養素は脂肪として蓄えられます。ですから大人になって以降に総消費カロリーに対して総摂取カロリーが多いのであれば、それは制限するべきかもしれません。

 しかし食べる量を制限するというのは実際とても大変なことです。なぜなら私達は食事によって、特に甘いものを食べることによって気持ちが安定したり幸せを感じるようになっているからです。
 そうして考えますと、やはり「総消費カロリーを増やす」というのが有効になってきます。

 ではどうやって総消費カロリーを増やすかと言えば、基礎代謝というのは簡単に上げることはできないでしょうし、食事誘発性熱産生にしても、それを上げるためには食事の量を増やさないといけないんですかね?でもそんなことをしたら総摂取カロリーが増えるわけで…。
 なんて考えますと、やはり総消費カロリーを増やすには生活活動代謝を増やす。つまり「体を動かす(筋肉を使う)時間を増やす」というのが答えになるようです。

 「仕事が忙しくて運動どころではない!」なんて方もみえると思います。でも「通勤の時にちょっと背筋を伸ばして歩いてみる」ですとか「エレベーターではなく階段を使ってみる」など、そんなことで良いのです。そうしたちょっとの積み重ねが意外と大きな効果を生むこともありますから、ぜひ生活活動代謝を増やしてみてください。
   

 ちなみに食事誘発性熱産生は、私が最初にこの記事を書いた頃には特異動的作用Specific Dynamic Action(SDA)などと呼ばれていました。知らないうちにそうした呼び方も変わってゆくんですね。。

   

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