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脚が攣る(足がつる)原因とその治療法を説明します

脚が攣る(足がつる)原因とその治療法を説明します ここでは脚(足)が攣るそのメカニズムを説明させていただきます。それこそ様々な考え方がありますので、こうした捉え方もできるんだ!という感じで聞いて下さい。

 まず「脚が攣る」ということなんですが、脚が攣るというのは筋肉が自分の意志とは関係なく収縮(痙攣)してしまった状態をいいます。
 そして、こうした状態は何処の筋肉にも起きる恐れがあるのですが、やはり多いのはフクラハギがつる腓返り(こむらがえり)だと思われます。ちなみに腓返りの腓(こむら)というのは、フクラハギを意味します。

脚が攣る(足がつる)原因とその治療法を説明します さて、ではその原因なのですが、端的に述べるのであれば「神経の誤作動」が挙げられます。そして、その神経の誤作動の原因として考えられますのが表1にあります栄養不足、冷え、脱水、疲労、筋の弛緩位の継続、加齢などとなります。

 では栄養不足から具体的にみてまいりましょう。
 これに関しては、まず摂取する栄養(食事の量)が少なければ栄養不足となります。そして食事を十分に摂っていたとしても、それが胃腸障害などによって正しく消化・吸収できていなければ、やはり栄養不足となります。さらに胃腸で正しく消化・吸収できていたとしても、血流障害などにより、それが各部に適切に送られなければ、やはり身体各部には栄養不足の状態が起きることになります。

 とにかく、何らかの理由により各部に十分な栄養が送られないと、それにより神経が誤作動を起こしてしまうことがあるのですが、これが「攣る」という状態を起こす原因となります。

 次に冷え。基本的に体が冷えますと、血管は収縮し熱の放出を抑えます。これは生命の維持に必要な機能なのですが、血流障害の原因ともなってしまいます。すると身体各部に十分な栄養を送ることができなくなり、これが神経の誤作動から脚がつるといった状態を起こす原因となります。
 更に冷えに関しては、冷え自体が神経機能の誤作動を起こすとも考えられています。

 そして脱水ですが、脱水になりますと血液は俗にいうドロドロ状態になります。すると血流が悪くなり、身体各部に十分な栄養を送ることができなくなります。あとは上記と同じです。

 疲労に関しては、今までのものと少しメカニズムが異なります。
 筋肉を使用する(収縮させる)ためには神経が興奮する必要があるのですが、運動などにより疲労するほど筋肉を使用しますと、それをさせるために頑張った神経の興奮が治まらないことがあります。するとこの神経の興奮が、筋肉に対して誤った命令を送ってしまうことがあり、これが脚の攣る原因になると言われています。

脚が攣る(足がつる)原因とその治療法を説明します 最後に筋の弛緩位の継続です。これに関しては図1を見ながらまいりましょう。
 図1にはフクラハギに位置する筋肉の一つ、腓腹筋(ひふくきん)が示してあるのですが、腓腹筋は意識的に収縮することで、つま先を伸ばした状態をつくります。
 図1では左から2つ目がそれにあたるのですが、例えばハイヒールなんかを履きますと、腓腹筋はハイヒールの影響により緩められてしまいます。するとこの緩められた腓腹筋は、「収縮しないといけない」と勘違いし、これにより脚が攣る事があるのです。
 これに関しては上向きで寝ている時にも同じようなことが言えます。上向きで寝ているときに布団の重みで足首が伸ばされた状態になりますと、フクラハギの筋肉は緩められ…。あとはハイヒールの時と同じです。

 みなさんには脚が攣った覚えはないでしょうか?私が以前、自分の担当していました解剖学のクラスで生徒の皆さんに聞いた時は、中学や高校の頃に攣ったですとか、部活(運動)中や朝方に攣ったという話しがわりとあったのですが、それも脚が攣る原因を考えれば、その理由が分かりますね。

 例えば中学や高校の頃と言えば成長期にあたるのですが、この頃は摂取した栄養がどんどん身体を大きくするために使われます。そのうえ部活やなんかで体を動かせば、栄養不足にもなりますよね。そして運動なんてのは、頑張れば頑張るほど疲れますし、汗をかいたなら、それに伴い脱水になる恐れもあります。更にこれが寒い時期ですと、汗が乾く過程で冷えを伴ったりして。

 こうして考えますと、脚が攣る原因も具体的に何か一つが影響しているというよりも、複数の要因が絡んで起きると考えたほうが良い気がします。

 あと、脚が攣る原因として取り上げてあった加齢には触れていませんでしたが、歳を重ねればいろいろな弊害が起きてきます。例えば、基本的に胃腸の機能(栄養の消化・吸収機能)は低下しますし、筋肉の量も減ります。そして筋肉の量が減れば、それに伴い熱(体温)の産生率や、血流量、更には水分保有量も低下します。また神経自体の機能も低下することが考えられ、こうした条件が整ってしまうため、脚が攣る恐れが増えてしまうわけです。

 ちょっと気分が沈んだ気がしますが、では脚が攣った場合にどうしたら良いかという話をしておきましょう。
 筋肉が攣った場合は、その筋肉を伸ばすようにして下さい。フクラハギの筋肉(腓腹筋)で言うなら、図1の一番右のように、つま先を膝の側に向かって引いて下さい。そうすることで筋肉が無意識的に収縮した状態(攣った状態)をリセットすることができます。

脚が攣る(足がつる)原因とその治療法を説明します また、小魚や野菜、果物、水分などの摂取を心がけ、栄養不足を防止する事も有効だと言われています。
 あと、時間は少しかかりますが、図2にありますように爪先立ちのような運動を繰り返すことも有効です。これはフクラハギのトレーニングになるのですが、これにより血管の発達と筋肉のポンプ機能(血流を促進させる機能)の向上が期待できます。そうした理由から、脚が攣ることを予防できると考えられています。

 こんなところが脚が攣る理由とその対応だと思われます。ご理解いただけましたでしょうか?

 ここまでの内容を読んでいただく限りでは、脚が攣ることをそこまで大した問題だと捉える方は少ないのかもしれませんが、糖尿病や動脈硬化症など病理的な問題によって脚が攣ることもありますので、もし頻繁に脚が攣るようでしたら、専門機関で検査されることをお勧めします。

 ちなみに糖尿病では血液がドロドロ傾向になるのですが、それにより血流障害が起き、脚がつると考えられます。また動脈硬化症では、それ自体が血流を障害することで脚がつると考えることができます。
   

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