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関節の可動域制限の原因となる負のクワドラングルを断ち切れ!

 別の記事で『痛みを継続・悪化させる負のトライアングル』について説明させていただきましたが、ここでは、関節の可動域制限に拍車をかける負のクワドラングル(四角形)ということで話をさせていただきます。(『痛みを継続・悪化させる原因(負のトライアングル)を断ち切れ!』はこちら
※「負のトライアングル」および「負のクワドラングル」は、わたくしwataraiが勝手に言っている言葉です。ご了承下さい。

 まず皆さんが何らかの理由により、どこかを痛めたとします。するとほとんどの方は、そこに痛みのでにくい姿勢、つまり逃避姿勢をとられるかと思うのですが、この逃避姿勢が次なる問題の引き金となる場合があります。

関節の可動域制限の原因となる負のクワドラングルを断ち切れ! それこそ痛みが軽度で、そこまで気にならないものでしたら大して気にする必要はないと思いますが、ある一定以上の痛みがあり、それが継続しますと、そこに新たな問題が起きてしまう恐れがあるのです。

 この問題というのが関節の拘縮。拘縮contractureという言葉を辞書で調べてみますと「関節包外の軟部組織が原因で起こる関節可動域制限」などとでてきます。この関節包外の軟部組織というのが何かといえば、これは表1にまとめてあるのですが、関節を包む関節包、そしてその上を補強します靱帯、更にその上で関節を動かすために働く筋肉などがそれに当たります。

 で、何らかの痛みがあって逃避姿勢をとることになりますと、その姿勢を維持するために、まず筋肉が収縮します。そうすることで可動域が制限され、痛みの誘発を防ぐことになるのですが、この状態を継続していますと、筋肉が硬く(伸びにくく)なっていくんですね。これがまず可動域制限の継続因子となります。そして、そうした状態を続けていますと、今度は靱帯や関節包といった、それよりも深層の構造が柔軟性を失い、関節可動域の減少に拍車をかけることになってしまうのです。

関節の可動域制限の原因となる負のクワドラングルを断ち切れ! 表2ではこれら軟部組織が柔軟性を低下させることをまとめて「関節の拘縮」と書いてあるのですが、そうした関節の拘縮は先にも説明しました関節可動域の制限因子となります。

 関節は適切な動きがあることにより、そこに掛かる負担を分散させるのですが、可動域が制限された状態では、割りと限られた部分に負担が掛かってしまうことになるため、これが痛みを誘発する原因にもなってしまうのです。 こうして新たな痛みが起きるころ、もしかしたら最初に起きた痛みは改善しているかもしれません。そして、こうして出来た痛みも逃避姿勢をとることにより、改善するのかもしれません。(ちなみに、こうした状態は、「痛みの位置が移動した」といった感じで、実感できる場合があります)

 しかし、負のクワドラングルによってできた痛みには、ひとつ大きな問題があります。それが何かといえば、やはり筋肉や靱帯における伸張性の低下、つまり関節の拘縮を伴うということです。

 もちろん逃避姿勢をとる中で、筋肉や靱帯が適切な柔軟性を取り戻せば良いのですが、そうならなければ痛みを軽減させることが難しいんですね。局所的に負担がかかり続けることに変わりはないですから。するとどうなるかと言えば、やはり負のクワドラングル(表2)を繰り返していくことになるんですね。痛いから動けない→だから関節は拘縮してゆく→結果痛みは増える→更に動けない…、と関節可動域が減る一方で痛みは増えるわけで。

関節の可動域制限の原因となる負のクワドラングルを断ち切れ! 上記では痛みの発生から可動域制限が起きていくという設定で説明させていただいたのですが、仕事などによる同一姿勢の継続から関節の拘縮が起き…、と言う感じで負のクワドラングルに入ってしまう方もおみえになります。
 では、これに対して何をしたら良いのかと言う話なんですが、「関節の拘縮が問題なわけですから、それが動くようにすれば良い」のです。具体的にできることと言えば、やはりストレッチではないでしょうか?

 もちろん拘縮部位を伸ばそうとすれば、それには多くの場合痛みを伴うわけですが、しかしそれをしなければ可動域は更に減少する恐れがあるわけで。
 ほんとうに辛い戦いですが、少しずつで結構です。ただ続けていただいて、可動域の回復とその先にあります痛みからの脱却を目指してほしいと思います。

※この記事には強引なストレッチ?のイラストが載せてありますが、基本的に強引なストレッチは害です。ご了承下さい。
   

→関連記事『痛みを継続・発症させる負のトライアングルを断ち切れ!』
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