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悪い姿勢の代表とも言える猫背姿勢になってしまう理由を説明します

 生活をする上で、急を要する問題としては考えられることの少ない姿勢ですが、その悪さというのはとても多くの問題を引き起こす恐れがあります。ということで、ここではその姿勢の悪さ、といいますか猫背姿勢について考えてみましょう。

悪い姿勢の代表とも言える猫背姿勢になってしまう理由を説明します まず、どうして人は猫背になる事が多いのか?という話なんですが、それには主に2つの構造的要因が絡んでいると考えられます。

 一つ目は背骨の位置。これに関しては図1を見て下さい。斜線で表してあるところが背骨なんですが、割と身体の後ろの方に位置しているのが分かりますでしょうか?だから猫背になりやすいのです。

 図2も合わせて見て下さい。テコの絵が書いてありますが、支点となっているところが背骨、そして荷重と書いてあるのが頭や肋骨などの重さだと考えて下さい。
 人の体では、背骨よりも前に結構な構造(重さ)があるため、背骨は基本的に前に倒れていく様になっているのです。

 もしお腹(ヘソ)のあたりに、肋骨と骨盤を結ぶような形で、支柱(骨)でもあったなら話は変わりますが、そんなの無いですからね。これが猫背になりやすい一つ目の要因です。

 次に2つ目。これは図3を見て下さい。背骨を横から見た絵が載せてあるのですが、背骨って、こんな形をしています。
 解剖学的に背中の骨は胸椎と呼ばれているのですが、図では特にCとDがその特徴を表しています。

 背骨には棘突起という後ろに伸びる突起があるのですが、特に胸椎の棘突起は後方かつ下方に伸びるという特徴をもっています。そのため身体を反らそうとしても、その棘突起が早期に衝突してしまうため、それ以上の動きが制限されてしまうのです。

 図3ではCとDの棘突起間(赤丸の2が示す距離)が狭いのがそれを表しています。ですから、もし胸椎棘突起の形が、AやBのようになっていたなら、棘突起間の距離(赤丸の1が示す距離)が割りと確保できるため、身体を反らす(後屈)運動の可動域はもう少し増えることになります。(胸郭などの影響がなければ)

 つまり骨の構造を見ても背骨(特に胸椎部)は、前には動けるけど後ろに動けない(反れない)構造になっているのです。これが猫背になりやすい2つ目の要因です。

 他に足すのであれば、「生活を送る中で身体を前に曲げることが圧倒的に多い」というのもその理由に挙げられるような気もしますが、これに関しては身体の構造上、そうした生活様式になったとも言えますから、なんとも分かりませんね。

 まあなんであれ背中の筋肉をしっかり使って、背すじをちゃんと伸ばしていただけたらなら猫背になんてならないのですが、姿勢を伸ばし続けるのって結構疲れますからね。ですから筋肉を使わなくてよい楽な姿勢、つまり猫背をとることが多くなってしまうんでしょう。

 さて、猫背になってしまうその理由は理解していただけましたでしょうか?
 次の記事では、この猫背の弊害についてお話させていただきます。

※図3で背骨(胸椎)の絵が書いてあるのですが、あれは関節突起や椎間孔などといった解剖学的構造を省いた略図となっています。ご了承下さい。
   

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