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画像診断に写らない問題を如何に対処するか3(神経編)

 ここでは画像診断に映らない神経の問題について説明させていただきます。
 神経といっても私が分かるのは末梢神経というやつですので、それに関して話を進めていくのですが、まず神経を理解するために、基礎解剖からまいりましょう。

画像診断に写らない問題を如何に対処するか3(神経編)
 図1を見て下さい。神経の中でも最も重要なところが脳です。そしてその延長部みたいなところを脊髄といい、これらはまとめて中枢神経と呼ばれています。
 そしてそこからは神経の枝(神経枝)がたくさん(正確には43対)出ているのですが、この43対と、その延長部全てのことを末梢神経と呼んでいます。

 中枢神経から出た神経枝は枝分かれしながら身体各部に広がっていき、そして内臓や筋肉(骨格筋)に伸びたものは、それらに脳からの「動け」という命令を伝達します。対して皮膚に伸びたものは、その部位における情報(冷たい、暑い、痛いなど)を脳に伝えます。実際はもっと複雑なのですが、簡単にいえばこんな感じになると思います。

 さて、では神経のどのような問題が「画像診断に写らず痛みの原因になるか」という話なんですが、比較的多いのは「絞扼性の神経障害」だと思います。絞扼とは「しめつける」ことを言いますので、神経の締め付け(圧迫)障害などと言い換えることができるかと思います。

画像診断に写らない問題を如何に対処するか3(神経編)
 図2を見ていただきましょう。図では腕とそこに伸びる神経枝が書いてあります。

 腕にいく神経は頚の脊髄部分から伸びてそれぞれの部位に到達するわけですが、そこに至るまでの間に、何らかの障害を受けることがあります。
 それこそ多いのは、先に述べました絞扼(圧迫)なのですが、そうすると、その圧迫部位にも痛みが起きる恐れはありますが、更にその先の、神経の走行(支配)領域にもシビレや痛みなどの問題を起こす恐れがあるのです。

 ちなみに、神経障害によって、その神経の伸びる領域(関連領域)に起きたシビレや痛みを関連痛と呼んでいます。

 ではこうした問題にどう対処するかということなのですが、これは絞扼部位、正確には絞扼している構造にアプローチすることが有効となります。まあ神経を絞扼する確率が高いのは、やはり筋肉(腱や腱膜を含む)ですから、それにアプローチすることになります。

 また筋肉の緊張は血管を絞扼することもあるのですが、そうするとその血管の伸びる領域には血流障害が起こりますので、その結果としてシビレなどの症状が起きてくる恐れもあります。

 さて、画像診断に写らない問題を如何に対処するか3(神経編)、その内容はご理解いただけたでしょうか?次は「画像診断に写らない問題を如何に対処するか4(内蔵編)をお送りしたいところですが、内臓関係は専門外ですので、このシリーズはここまでとさせていただきます。
   

→関連記事『画像診断に写らない問題を如何に対処するか1(関節編)』
→関連記事『画像診断に写らない問題を如何に対処するか2(筋肉編)』
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