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足(脚)のむくみ(浮腫)の原因と、それによって冷えが起きる理由を考える

足(脚)のむくみ(浮腫)の原因と、それによって冷えが起きる理由を考える 左に写真を載せてみたのですが、人が体を起こしていれば脚・足には大なり小なりむくみは起きる!ということで、ここでは脚・足がむくむ理由と、それによって冷えが起きる理由を説明させていただきます。

 私たちが一般的な生活をした場合、この一般的というのは朝起きてから夜寝るまでの間に、基本的に横にならない生活を言うのですが、そうした場合、脚・足は立っていようが座っていようが基本的に身体の一番下に位置することになります。するとこれがむくみの原因となります。

 もう少し細かく説明しましょう。
 私たちの体には血液が循環しているのですが、その血液を循環させるための経路が血管、そしてその循環装置が心臓です。

足(脚)のむくみ(浮腫)の原因と、それによって冷えが起きる理由を考える 血管には心臓から末梢各部へ血液を送る動脈と、それを心臓へ送り返す静脈があるのですが、動脈は心臓のポンプ機能の影響もあって、わりと強い力で血液を送っています。(以下、図1参照)
 これは血圧の測定によって知ることができ、心臓が収縮し全身に血液を送り出すときの圧が最高血圧(収縮期血圧)、そして心臓が拡張し血液を取り込んでいる時の圧が最低血圧(拡張期血圧)です。

 実際血圧には血管自体の弾性や収縮力も関与しているのですが、最高血圧(収縮期血圧)は120mmHg、最低血圧(拡張期血圧)で80 mmHg、そして平均血圧100 mmHgというのが一つの目安となっています。

 また動脈は心臓に近いところですと大動脈などと呼ばれ、直径も25~30 mmもあるのですが、それは木が枝を張り巡らせるように枝分かれし、身体の各部に広がる頃には細動脈と呼ばれるほど細くなります。
 それが指先など末梢部では更に毛細血管capillaryと呼ばれるほどになり、まあこの辺りではその直径も0.01mm程度になっているようなのですが、そこで血液と組織・細胞との間における栄養や代謝産物の移動を行うことになります。

 そして、そこまで細くなった多くの血管が、今度は合流しながらその太さを増し、心臓まで血液を届けるという、そんな経路になっています。

 静脈は動脈との間に毛細血管を挟むかたちとなるため心臓(ポンプ機能)の影響が少なく、また血管壁も薄いため、血圧は極めて低くなっています。細静脈レベルを例に上げますと、その圧は10~15 mmHgなどと言われており、そうした数字を見ていただければ、いかにその圧が低いかが理解できるかと思います。

 ちなみにみなさんは、テレビドラマで手術のシーンを見たことはないでしょうか?手術中に執刀医の先生が誤って血管を切ってしまい、ピューッと血液が飛び出したりなんかして…。そんな時に切れているのは動脈です。これがもし静脈でしたら、そこまで圧は高くありませんから、ピューッなんて勢いよく血液が飛び出すことはないでしょう。

足(脚)のむくみ(浮腫)の原因と、それによって冷えが起きる理由を考える さて本題に戻ります。
 そこまで静脈は圧が低いため重力の影響を受けやすく、そのため身体の下に位置する部位、特に下腿や足の静脈では血液の貯留が起きてしまいます。まあそうした問題があるため、静脈には血液の逆流を防ぐための弁(図2参照)もあるのですが、それでもやはり血液は貯留することになります。

 すると血管は、ある程度までは広がってそれに耐えるのですが、そのうち血液中の水分を血管の外に出すようになります。これは血管の過度な拡張を防ぐための機能だとも言えるのですが、これにより脚・足がむくむといった状態ができることになります。

 いかがでしょう。脚・足がむくむ理由はご理解いただけたでしょうか?
 ちなみに「靴は夕方に買った方が良い」と言う話があるのですが、これは上記の理由から脚・足がむくみ、そのサイズが一回り大きくなるため、「午前中のようにむくみのない、もしくはむくみの少ない状態で丁度良いと思って買った靴は、夕方にかけて脚・足がむくんでくるときつくなる恐れがある」という事が背景にあります。

 さて、ではどうして脚・足のむくみが冷えの原因になるのかという話なのですが、血管の周辺に滲み出た水分は時間が経つにつれ冷えていきます。するとこの冷えた水分は「体温と同じ温度を維持するために体温を奪ってしまう」のですが、これがむくみによって冷えが起きる理由となります。

 もしこうした状態であっても、仕事や運動などによって身体を動かす中で、筋肉がそれを上回る熱を産生してくれるのであれば、冷えを苦にすることはさほどないかと思いますが、むくみがあるのにデスクワークなどで体を動かさずにいますと、熱をつくることなんてできませんから、どうしても脚・足は冷えていくことになります。

 では、どのようにしてこの冷えの原因となるむくみを防いだらよいのかという話なのですが、これに関して僕が言えることは、「まあ運動するしかないんじゃないかな」ということです。特にフクラハギの運動を。

 静脈はその圧が極めて低いという話は先にさせていただいたのですが、そんな静脈では、筋肉の収縮が血流の促進に一役買っています。むくみの起きやすい下肢でいうなら特にふくらはぎの筋肉が大きく、そうした働きを担う割合が高いことから「第二の心臓」などと呼ばれているほどです。
 まあだからと言って、フクラハギの運動をしていればむくみが無くなるかといえば、そうでもないのですが、やらないよりはマシでしょ。そんな感じです。

 あと、冷えを防ぐことを考えたのなら、これは特に女性に言えることですが、やはり露出を減らし冷たい空気や風に触れにくくすることが有効となります。オシャレという点においてはマイナスになるのかもしれませんが…。

 ということで、むくみと冷えの関係を説明させていただきました。

 「むくみ」は何らかの病気によって起きることもありますので、常に足や手などがむくんでいたり、他に気になる症状があるようでしたら、専門機関(病院など)に相談されることをおすすめします。
   

→関連記事『冷え性とは何か?そしてその原因・症状などを考えてみよう』
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