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冷え性とは何か?そしてその原因・症状などを考えてみよう

 ここでは多くの女性が抱えているであろう「冷え性」について考えてみようと思います。

 まず冷え性というのは何か?という話なのですが、「冷え性というのは身体が冷たいと感じること」を言います。ですから実際に身体が冷えていたとしても、それを自覚しなければ冷え性ではないわけで…。
 とにかくここでは、主に身体が冷える原因を冷え性の原因として考えていきたいと思います。

冷え性とは何か?そしてその原因・症状などを考えてみよう さて、左には冷え性の原因として考えられる事をいくつか挙げてみました。内容に多少重複するところがありますが、一つずつ見てまいりましょう。

 まずは血流障害。
 血液が全身に栄養を送り、そして老廃物を回収していることは多くの方が知ってみえることかと思うのですが、血液には熱を送るという働きもあります。ですから何らかの理由によりこの血流が障害されるようなことがありますと、そこに冷えが起きることになります。

 たとえば血液が俗にいうドロドロの場合。
 血管は身体の中心部と末梢部(指先など)で、その太さが大きく異なります。もちろん指先の方で細いわけですが、血液がドロドロの場合、特にそうした血管の細い部位では血液の流れが悪くなります。するとそれが冷えの原因となります。

 そして極端な低血圧がある場合。これは心臓のポンプ機能が弱いと言えてしまうかもしれませんが、こうした場合、心臓から離れた部位(手や脚など末梢部)まで十分に血液を送ることが難しくなります。するとこれも冷えの原因となります。

 更にデニムやガードルなど体を締め付けるような着衣も血流障害の原因となります。
 浮腫(むくみ)を抑えるストッキングも、確かに浮腫の予防には有効かもしれませんが、脚を締め付けるため、これも血流障害の原因となります。しかし浮腫の場合、それもまた冷えの原因となるため、対応は考えた方がよいでしょうね。(むくみと冷えの関係にいては『足(脚)のむくみ(浮腫)の原因と、それによって冷えが起きる理由を考える』をご覧下さい)

 また身体の締め付けとは多少違いますが、筋肉が疲労などにより緊張し(硬くなり)血管を圧迫してしまう場合、これもまた血流障害の原因となります。

 では次に筋肉量の減少について考えてみましょう。
 私たちが体を動かすと、特に運動などによって大きく体を動かしたりしますと体温は上昇するのですが、これは筋肉の摩擦によって熱が発生することに起因しています。また筋肉の収縮には血流を促す働きもあります。ですから運動不足などにより筋肉量が減少すれば、熱の産生効率の低下と血流促進機能の低下から冷えが起きることになります。ちなみに、筋肉量の減少によって僅かではありますが平均体温が下がるという考えもあるようです。

 次に食事制限。
 これに関してはいろいろありますが、たとえば炭水化物。これはダイエットを目的として制限する方もみえるようですが、炭水化物はその30%が熱(体温)の産生に使われると言われています。ですからそれを極端に制限すれば冷えの原因になるわけです。

 また炭水化物に限らず極端な食事制限をしますと、筋肉量を維持するための栄養も確保できなくなるため、筋肉量の減少から冷えが起きる恐れもあります。

 あと、これは食事ではありませんがタバコ。
 タバコに含まれるニコチンには一時的に血管を収縮させる働きがあるため、これも冷えの原因となります。これは寒い時期に、特に指先などで確認できることでしょう。

冷え性とは何か?そしてその原因・症状などを考えてみよう 環境因子&服装に関しては、冷えやすいところに居るにも関わらず、適切な服装をしていなければ冷えるという感じです。
 夏場にクーラーの効いた部屋で事務仕事をしてみえる女性の多くが、冷えを感じているという話を聞いたことがありますが、涼しいもしくは冷えるような部屋にいて、更に制服(スカート)の着用がプラスされたりしますと、脚なんて冷えてもしかたありませんよね。

 ちなみに、身体が冷えてきますと体温を保持するために血管は収縮します。これは熱の放出を抑制するためなのですが、すると手足など末梢部では血流が制限されますので、これもまた冷えの原因となります。
 逆に、夏場など体温が上がるような場合は、血管(特に末梢血管)が拡張することで熱の放出を促すため、指先などで冷たさを感じることは少なくなります。

 神経の問題としては先にも書きましたが、気温が下がるなどして体が冷えると、血管は収縮して熱の放出を抑えます。そしてこのバランスをとっているのが神経(自律神経)なのですが、何らかの要因(ストレスや病理的な問題など)によりこの神経が正しく働かない状態がありますと、冷えが起きる恐れがあります。
 この場合、神経の誤作動により血管が収縮してしまい、冷えが起きるといった感じになります。

 また、神経の問題といいますか、これは血流障害や筋肉の問題とも言えるかと思うのですが、頚や肩のコリによって筋肉が柔軟性を失い、頭へ伸びる血管を圧迫してしまう場合にも冷えが起きると考えられます。
  これは頭に十分な血液が流れないことで脳が冷えるのですが、それにより脳が「体全体が寒い」と認識してしまうことに起因しているようです。

冷え性とは何か?そしてその原因・症状などを考えてみよう 心理的要因に関しては、「人は気持ちに大きく作用される」ということに起因しています。例えば、寒い時でも大好きな人と一緒にいれば、寒さを感じにくい!?みたいな感じです。
 実際、仕事で失敗したとか寂しいなど、精神的にまいっている時の方が寒さや痛みなどを強く感じることが分かっています。

 最後に病理的な問題。
 これに関しては閉鎖性動脈硬化症や甲状腺機能低下症、膠原病や脊柱管狭窄症など、いろいろな問題が冷えの原因になると言われていますが、私の専門分野ではありませんので、このくらいにさせて下さい。

 ちなみに貧血がある場合、これは血液中のヘモグロビンが少ない状態なのですが、そうした場合、身体各部に酸素という名の栄養を十分に送ることが難しくなります。すると心臓は心拍数上げて対応するようですが、それでも各部で酸素が不足しますと、代謝機能(熱の産生効率)の低下から冷えが起きる恐れがあります。

 あと他にも、骨盤の歪みが冷えの原因になるという話があります。
 これは女性限定なのですが、「女性の場合、骨盤の中に子宮や卵巣などが収まっており、そのため男性と比べてそこにゆとりがありません。そんな骨盤に歪みが起きると血管を圧迫してしまい、結果として冷えが起きる」という考えのようですが、これに関してはよく分かりません。
 私は職業柄、骨盤の構造やその動きを知っていますし、矯正の仕方を教えていたりもしますが、そうしたことを含めて考えても、それを解剖学的に説明することは無理だと思います。

 さて、いかがでしょう?冷え性が病気ではないとはいえ、冷たさはもちろん身体の硬さや痛み(頭痛や肩こり)、そして眩暈(めまい)などの原因になると言われていますし、代謝効率の低下に伴い肌荒れや怪我の回復の遅延が起きるとか、内臓機能の低下に伴い発病の恐れが増えるなどとも言われていますので、気になる症状があるようでしたら、やはり専門医に受診されることをおすすめします。


→関連記事『足(脚)のむくみ(浮腫)の原因と、それによって冷えが起きる理由を考える』
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