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画像診断は絶対ではない!(ヘルニア状態が痛みの原因であるとは限らない!)

画像診断は絶対ではない!(ヘルニア状態が痛みの原因であるとは限らない!) いきなりですが「画像診断は絶対ではありません」。これは画像診断(レントゲンやMRI)で何らかの異常が確認されたとしても、それが痛みの原因になっていない場合もあるということです。

 例えば、腰痛の原因として比較的取り上げられる事の多い椎間板ヘルニアherniated discですが、少し前に見たテレビでは「腰痛を感じていない成人の76%に、画像診断における椎間板ヘルニア状態が確認された」などと言っていました。

 分かりますか?痛みは無いのにヘルニア状態ということは、仮に腰痛で病院へ行き、レントゲンやMRIなどの撮影をし、そこにヘルニアが写ったとしても、それが痛みの原因ではない可能性もあるということです。

 そもそもヘルニアherniaと言うのは逸脱と言う意味があるのですが、椎間板に関していうときは「突出」などと言った方が分かりやすいかと思います。

 そう、椎間板ヘルニアとは椎間板が突出した状態を言うのです。

 下の絵を見ていただくと分かるかと思うのですが、斜線の入ったところが椎間板で、上の二つの椎間板と比べ、ヘルニアとしてあるところは後方に少し飛び出ていますでしょ。それを椎間板ヘルニアと言っているのです。

 ちなみに下の絵で仙骨としてあるのが骨盤の中央に位置する骨、そしてL4、L5と示してありますのがそれぞれ腰の骨(腰椎Lumbar)の4番目と5番目です。

画像診断は絶対ではない!(ヘルニア状態が痛みの原因であるとは限らない!)  では椎間板がなぜ突出するかと言えば、その主な要因に上からの圧力が考えられます。上からの圧によって椎間板が押し付けられ、その一部が後方に押し出されて…。そのため椎間板ヘルニアには椎間板厚の減少(椎間板スペースの狭小化)が伴うことになります。

 レントゲンには基本的に椎間板は写りませんから、それでヘルニアを確認する場合は、この椎間板スペースの狭小化を診ることになります。

 これがMRIでしたら椎間板は写りますから、その画像も含め状態を把握することになります。

 ちょっと脱線しましたが、ある本では「椎間板の中で最も荷重がかかり、大きな可動性が必要なのはL5と仙骨の間の椎間板であり、ここには比較的早期(20歳代)から変性が起こりやすい」と言う記載があります。また椎間板は歳を重ねる毎に変性し、その機能を低下させます。弾力が減ることで椎間板(特に腰の部分)には、ヘルニア状態が確認されやすくなります。
 しかし20歳代以降の多くに腰痛があるかと言えば、そうでもないですよね。

 実際「病院でヘルニアと診断され手術するしかない」などと言われた方が私の処にみえることもありましたが、あんがい治ってましたよ。

 きっと痛みの原因はレントゲンやMRIに写ったそれではなかったんでしょうね。
   

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